鎌倉市長谷小路周辺遺跡の液状化跡

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タイトル別名
  • Earthquake at Hasekhoji Sites in Kamakura, Japan.
  • カマクラシ ハセコウジ シュウヘン イセキ ノ エキジョウカアト

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抄録

鎌倉市長谷小路周辺遺跡において, 14世紀前半 (鎌倉時代後期~南北朝時代初期) に由比ヶ浜砂丘地に築かれた半地下式の建物の跡から, 13世紀から14世紀前半頃 (鎌倉時代初期~南北朝時代初期) 形成されたと考えられる噴砂の跡を検出した. 噴砂は砂層に含まれていた土器を巻き込んで約1m上昇して, 当時の地表に噴出している. また, 噴砂の流出と並行して16cmの落差を伴う地割れも形成されている. この噴砂は『吾妻鏡』や『北条九代記』に見られる地震記録から, 1257年 (正嘉元年) あるいは1293年 (永仁元年) の地震によって形成されたと思われる. とくに1257年の地震では, 鎌倉の各地で噴砂が発生した記録が『吾妻鏡』にあるので, 1257年の地震による噴砂と考えるのが適当であろう.

収録刊行物

  • 第四紀研究

    第四紀研究 32 (1), 41-45, 1993

    日本第四紀学会

被引用文献 (1)*注記

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