看護学生に対する感染防止教育 (第3報) ナースキャップ付着菌の細菌学的検討

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タイトル別名
  • Infection Control Training for Nursing Students. (3). A Microbiological Investigation of Nurse-Cap.
  • A Microbiological Investigation of Nurse-Cap
  • ナースキャップ付着菌の細菌学的検討

抄録

今回, 院内感染と医療従事者の衣類について検討すべく, 京都大学本医療技術短期大学部学生のキャップの汚染状態を調査した. 菌分離は, 病棟実習中の本学短期大学部3回生36名を対象にキャップの7ヵ所をスタンプして行った. 同時に被検者全員の手指からの分離も行った.<BR>菌分離者は36名中75%の27名であり, そのうち1名のキャップからStaphylococcus aureusが分離され, MRSAであった. その他, キャップや手指からの分離菌種は表皮ブドウ球菌, 真菌類, その他の細菌が占めていた.<BR>キャップの使用期間と菌分離の関係は明確には解らなかったが, キャップの汚染源として使用者の手指・病院環境・医療機器などが考えられ, キャップのみならず医療従事者の頭部は汚染されているという認識をあらためて得た.<BR>本調査において, 表皮ブドウ球菌やその他の細菌がその多くを占めていた.さらに表皮ブドウ球菌などのCNSがすでにメチシリンに耐性を持ち, 院内感染の主流になりつつあるという事実を再確認した. 今後, 院内感染起因菌の変遷に伴い, 感染防止行動の基本である手洗いを徹底させるとともに, 医療従事者の衣類に関する感染防止行動指針の確立が必要と思われる.

収録刊行物

  • 環境感染

    環境感染 10 (3), 49-52, 1995

    日本環境感染学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679414470912
  • NII論文ID
    130001720662
  • DOI
    10.11550/jsei1986.10.3_49
  • ISSN
    18842429
    09183337
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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