昭和大学病院における悪性リンパ腫; WHO分類に基づく再診断と組織型別頻度の検討

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タイトル別名
  • THE WORLD HEALTH ORGANIZATION CLASSIFICATION OF MALIGNANT LYMPHOMAS AT SHOWA UNIVERSITY HOSPITAL
  • ショウワ ダイガク ビョウイン ニ オケル アクセイ リンパ シュ WHO ブンルイ ニ モトヅク サイシンダン ト ソシキ ガタベツ ヒンド ノ ケントウ

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抄録

昭和大学病院において1983年から2005年の23年間に診断された悪性リンパ腫症例全例を2001年に発表された造血器腫瘍のWHO分類に基づいて再検討した.種々の免疫組織化学と遺伝子解析を加味した病理組織診断を行った結果, 582症例の悪性リンパ腫症例が再診断された.非ポジキンリンパ腫が95.5%を占め, うちB細胞性NHLが77.8%を占めた.最多の組織型はびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫であり, 全悪性リンパ腫の46.1%を占めた.ポジキンリンパ腫は4.1%であった.再診断では免疫組織化学の進歩により, 診断の変更が行われた症例があり, 最も多かったのはマントル細胞リンパ腫であった.23年間で悪性リンパ腫の新規病理診断数は3倍以上に増加し.本邦における罹患率の増加が示唆された.悪性リンパ腫の正確な病理診断はEvidence Based Medicineに基づく診療に不可欠であり, WHO分類に基づいた細分類は今日のリンパ腫診療の根本である.今回の研究で当院における悪性リンパ腫の組織型別疾患頻度が明らかになったことは, 診療のみならず継続的な悪性リンパ腫の臨床研究を行う上で基盤となる成果と考えられた.

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