大腿筋膜張筋の筋線維構成について

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タイトル別名
  • MYOFIBROUS ORGANIZATION OF THE TENSOR FASCIAE LATAE MUSCLE

抄録

筋の機能的特性を形態的に明らかにするために大腿筋膜張筋について外計測と筋線維構成の検討を行い, 他と比較した.研究対象は学生実習屍27例 (男性18, 女性9, 平均年齢68.6歳) から得られた右側大腿筋膜張筋で, 筋重量および筋質部の長径, 幅径, 厚径を計測, 筋線維構成の検討はHE染色標本によった.結果: 1) 筋重量および外計測による容積比は男性の方が女性よりも大であったが, 加齢減少の傾向が認められ, 男女とも60歳代以降で著明であった.また, 筋腹の横断面積においても, 男女とも高齢者では著しい低値を示していた.2) 1mm2中の筋線維数は平均で男性1012, 女性1176で, 女性の方が男性よりも優っていたが, 他筋に比べて大腰筋よりも少なく, 腸骨筋と等しく, 腰方形筋よりも多かった.3) 筋線維総数は平均で男性188, 112, 女性170, 531で, 加齢減少の傾向は男性にのみ明らかであった.男性では腰方形筋および腸骨筋に匹敵し, 大腰筋よりも劣ったが, 女性では腸骨筋, 大腰筋に匹敵し, 腰方形筋よりも劣っていた.4) 筋線維の太さは平均で男性802μm2, 女性632μm2であったが, 年齢的には男性においてのみ減少傾向が明らかであった.他と比べて男女とも大腰筋と等しく, 腰方形筋および腸骨筋よりも小であった.5) 筋線維密度は平均で男性74.5%, 女性65.8%で男性の方が女性よりも優る傾向が見られたが, 他と比べて男女とも大腰筋, 腸骨筋 (♂) および腰方形筋と相前後していた.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679812430592
  • NII論文ID
    130001827728
  • DOI
    10.14930/jsma1939.51.47
  • ISSN
    21850976
    00374342
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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