風倒後の処理とエゾシカの採食およびそれに起因する植生への影響

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タイトル別名
  • The Effects of Treatment Following Wind Disturbance on Deer Browsing and its Impact on Vegetation
  • フウトウゴ ノ ショリ ト エゾシカ ノ サイショク オヨビ ソレニ キイン スル ショクセイ エ ノ エイキョウ

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抄録

風倒木処理がシカの採食に与える影響, および採食による植生への影響を明らかにするため, 風倒が発生したトドマツ人工林において, 倒木を放置した「倒木区」, 倒木の除去後植栽された「植栽区」, 倒木除去に伴い発生した残渣 (枝や根株など) を列状に集めた「残渣区」の3処理間で採食圧を比較した。また, 各処理についてシカ排除フェンスを設置し, 1年間の採食による植生への影響を調べた。採食圧は植栽区, 残渣区, 倒木区の順に高く, シカが倒木のある場所を避けること, 倒木が列状に配置される方が採食を受けやすいことが示唆された。採食による植生への影響は, 残渣区のフェンス外で群落高と草本種数の減少が, 植栽区のフェンス外では逆に草本種数の増加がみられた。倒木区では有意な影響はみられなかった。これには植物種構成や群落高, 植被率の処理区間の違いと共に, シカによる種子散布や採食による優占種の減少が寄与している可能性がある。風倒木を広く残すことによりエゾシカの採食を減らせる可能性がある一方で, 採食による植生への影響は複雑であり, 長期的なモニタリングが必要である。

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