中国・南京における伝統的灯籠「秦淮灯彩」の成立と発展

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タイトル別名
  • The Formation and Development of raditional Colored Lanterns of Qinhuai in Nanjing, China
  • - Based on Literature Research
  • -文献資料の精査を中心として

抄録

本稿は、中国の南京に伝わる伝統的な「秦淮灯彩」の歴史の源流、変遷、沿革と歴史の諸相を考察したものである。特に、「秦淮灯会」活動を明確に記載した文献の調査を通して、南北朝時代から清末、民国までの歴史を回顧した。その結果、以下の知見が得られた。<br>(1)古くから「秦淮灯会」は、「秦淮灯彩」を用いながら一連の具体的な活動を通して長期間に当該地域の活性化に果たす役割がある。<br>(2)「秦淮灯彩」をはじめ、当該地域に盛んになった手工業から生み出した伝統的な生活文化は、人びとが地域のなり立ちを確認する重要な契機を提供していた。<br>(3)「秦淮灯彩」は身分、年齢、性別を問わず、当該地域の人びとに共有された。そのため、「秦淮灯彩」のあった姿を明らかにすることは、人間関係、調和社会の構築を強調している中国には、現実的な意義がある。<br>(4)近年では、機器導入するによる、量産が多くなされるととに、「秦淮灯彩」の質と意匠の低下が激しい現状を迎えている。今後、伝統的なものづくりを、いかに継承していくかが大きな課題となっているといえよう。

収録刊行物

  • デザイン学研究

    デザイン学研究 59 (3), 3_93-3_102, 2012

    一般社団法人 日本デザイン学会

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680388514176
  • NII論文ID
    130002584626
  • DOI
    10.11247/jssdj.59.3_93
  • ISSN
    21865221
    09108173
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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