難治性心室頻拍を伴った拡張型心筋症の1例

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  • A case of nonischemic dilated cardiomyopathy with refractory ventricular tachycardia

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抄録

症例は, 17歳, 女性. 2歳時に頻拍発作が出現し, 近医で心室頻拍(VT), 拡張型心筋症と診断され, 以後VTのため, 頻回に入退院を繰り返している. VTは右脚ブロック, 左軸偏位型, 心室レート150~180で左室心尖部起源と考えられた. 5歳時からアミオダロンを開始し, 12歳時にカテーテルアブレーション(CA)を試みたが, 完全に抑制することはできなかった. 15歳ころからQT時間延長, 甲状腺機能低下を認めアミオダロンを減量した. その後, VTが増悪し, 16歳時に入院し, VT停止のために連日メキシレチンの静注を要した. 2010年3月と6月にCAを行い, VTレートは110まで低下し, アミオダロンを中止した. フレカイニド, メキシレチンの投与を開始したが, VTは完全には抑制できず, 2010年9月に心室再同期療法(CRT-D)を導入した. 拡張型心筋症に対しCRT-D導入後, 6カ月後にVT誘発が減少したとの報告があり, 本症例の経過を報告する.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 43 (SUPPL.3), S3_177-S3_183, 2011

    公益財団法人 日本心臓財団

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