連想群分析法を用いた健康行動の認識

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  • An applicability of the associate group analysis method for identifying perceptions towards health behaviors
  • Comparison between gender and age defined groups
  • 性および年齢層から見た検討

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抄録

目的:一次予防の観点から一般住民の公衆衛生を改善させることを意図したメディア情報はきわめて多く開発されてきたが効果には限界があった.その理由として,健康行動を改善するために手段となる認識を変化させるように配慮したメッセージの開発過程が明確にされてこなかったことが考えられる.本研究の目的は,性別および年齢層で分けた集団を対象とし,健康行動に対する認識を連想群分析法(AGA)によって調べ,一般性および適応性という観点からAGAの実用性を確認することである.<br>方法:大学のオンデマンド授業を通じ,284名の社会人学生を対象に,AGAを用いて健康行動の刺激テーマを提示し,彼らが連想する用語や熟語を調査した.刺激テーマは,1) 生活習慣病・メタボリックシンドロームの予防,2) 食生活の改善,および3) 身体活動・運動の実践,であった.<br>結果:刺激テーマへの順位づけでは,カイ二乗検定の結果,いくつかの反応用語の数において,性および年齢の群間に有意差が見られた.また,それぞれの刺激テーマにおいて出現頻度の順位によって重みづけされた反応用語の得点について分散分析を行った結果,順位づけとは幾分異なる結果が示された.<br>結論:AGAを用いた以上の結果から,健康行動に関連する用語や言い回しは全集団で共通している一方で,下位集団によって異なる内容が存在することが明らかになった.今後の研究では,本研究で得た用語を用いたコミュニケーションが下位集団の認識に適合し,行動に影響を与えることができるか否かを検討する必要がある.

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