牛ウイルス性下痢ウイルス感染に関連するミエリン形成不全により先天性小脳症状を呈したホルスタイン種子牛の５症例

• 猪熊 壽

  帯広畜産大学　臨床獣医学研究部門

• 小嶋 由夏

  帯広畜産大学　臨床獣医学研究部門

• 千葉 史織

  帯広畜産大学　基礎獣医学研究部門

• 古林 与志安

  帯広畜産大学　基礎獣医学研究部門

• 高垣 勝仁

  十勝農業共済組合

書誌事項

タイトル別名

• Congenital cerebellar hypoplasia signs caused by hypomyelination related to bovine viral diarrhea virus infection in five Holstein calves
• 症例報告 牛ウイルス性下痢ウイルス感染に関連するミエリン形成不全により先天性小脳症状を呈したホルスタイン種子牛の5症例
• ショウレイ ホウコク ギュウ ウイルスセイ ゲリ ウイルス カンセン ニ カンレン スル ミエリン ケイセイ フゼン ニ ヨリ センテンセイ ショウノウ ショウジョウ オ テイシタ ホルスタイン シュシギュウ ノ 5 ショウレイ

抄録

2011年12月〜2012年３月に十勝管内の１牧場から神経症状を呈するホルスタイン種新生子牛５頭が帯広畜産大学に搬入された．いずれの症例も振戦，起立不能ないし難渋，開脚姿勢，歩様蹌踉，企図振戦などの神経症状を呈しており，生前には小脳病変が疑われた．血液および生化学検査では低ガンマグロブリン血症および低コレステロール血症が認められた他は，顕著な異常はみられなかった．安楽殺後または死亡後の病理解剖では，いずれの症例においても白質硬化がみられたが，小脳低形成などの肉眼的形態異常は認められなかった．病理組織学的検索では，広範な中枢神経領域の白質におけるミエリン形成不全とアストログリアの増殖が共通所見として認められた．血液を材料としたRT-PCR検査により牛ウイルス性下痢ウイルス（BVDV）を検索したところ，すべての症例からBVDV-1型遺伝子が検出され，２症例からはBVDVウイルスも分離された．本症例群でみられた先天性小脳症状は，胎子期のBVDV感染の症状としては稀なミエリン形成不全により生じた可能性が高いと考えられた．

収録刊行物

• Japanese Journal of Large Animal Clinics

  Japanese Journal of Large Animal Clinics 4 (1), 25-29, 2013

  日本家畜臨床学会 ・ 大動物臨床研究会

キーワード

• 牛ウイルス性下痢ウイルス（BVDV）
• 小脳症状
• 白質硬化
• ミエリン形成不全

詳細情報

• CRID: 1390001205345351424
• NII論文ID: 130003379742
• NII書誌ID: AA12483687
• DOI: 10.4190/jjlac.4.25
• ISSN: 21872805
• ISSN: 1884684X
• NDL書誌ID: 024754777
• Web Site: https://obihiro.repo.nii.ac.jp/records/962
• Web Site: https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2030853054
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I024754777
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2013319271
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • IRDB
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
  • KAKEN
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可