良好な転帰を得た高安病合併妊娠の4症例

  • 出口 可奈
    神戸大学大学院医学研究科外科系講座産科婦人科学分野
  • 谷村 憲司
    神戸大学大学院医学研究科外科系講座産科婦人科学分野
  • 園山 綾子
    神戸大学大学院医学研究科外科系講座産科婦人科学分野
  • 平久 進也
    神戸大学大学院医学研究科外科系講座産科婦人科学分野
  • 森實 真由美
    神戸大学大学院医学研究科外科系講座産科婦人科学分野
  • 森田 宏紀
    神戸大学大学院医学研究科外科系講座産科婦人科学分野
  • 山崎 峰夫
    神戸大学大学院医学研究科外科系講座産科婦人科学分野
  • 山田 秀人
    神戸大学大学院医学研究科外科系講座産科婦人科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Pregnancy complicated with Takayasu’s disease : a report of four cases
  • 症例報告 良好な転帰を得た高安病合併妊娠の4症例
  • ショウレイ ホウコク リョウコウ ナ テンキ オ エタ タカヤスビョウ ガッペイ ニンシン ノ 4 ショウレイ

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抄録

高安病は大動脈およびその分岐の大・中動脈炎を主徴とする疾患で,若年女性に好発する.今回われわれは高安病合併妊娠の4症例を経験したので報告する.4例とも妊娠前に高安病と診断されており,全例妊娠可能と判断されていた.2例は妊娠前に外科治療の既往があり,1例は,上行大動脈の拡大に対して人工血管置換術,大動脈弁閉鎖不全症(AR)IV°に対して,大動脈弁置換術(生体弁),腹部大動脈の拡大に対して人工血管置換術を施行されていた.もう1例は,AR IV°に対して,大動脈弁置換術(生体弁)を,左鎖骨下動脈の狭窄に対して大動脈左鎖骨下動脈バイパス術を施行されていた.4例とも妊娠前よりプレドニゾロン(PSL)治療が行われており,心エコーでの心機能評価,CT・MRIでの血管病変の評価,採血での炎症反応の評価にて,妊娠前の病状はPSL維持量で安定していた.3例は陣痛による血圧上昇をコントロールする目的で無痛分娩となり,1例は左腕のしびれが出現したことで高安病の悪化を疑われ,帝王切開による分娩となった.産褥期は母児ともに良好に経過した.今回の4症例では,妊娠前からの病態把握,妊娠中の慎重な内科的管理と治療および分娩管理により,良好な周産期帰結となった.〔産婦の進歩65(4):408‐413,2013(平成25年11月)〕

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