原油増進回収におけるCO<sub>2</sub>/油系溶解現象の 分子動力学解析

  • 植村 豪
    東京工業大学 理工学研究科 機械制御システム専攻, 〒152-8550 東京都目黒区大岡山2-12-1
  • 小寺 厚
    東京工業大学 理工学研究科 機械制御システム専攻, 〒152-8550 東京都目黒区大岡山2-12-1
  • 津島 将司
    東京工業大学 理工学研究科 機械制御システム専攻, 〒152-8550 東京都目黒区大岡山2-12-1
  • 河村 雄行
    岡山大学 環境生命科学研究科 環境科学専攻, 〒700-8530 岡山市北区津島中3-1-1
  • 平井 秀一郎
    東京工業大学 理工学研究科 機械制御システム専攻, 〒152-8550 東京都目黒区大岡山2-12-1

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of Molecular Dynamics of CO<sub>2</sub>/Oil DissolutionPhenomena in Enhanced Oil Recovery
  • 原油増進回収におけるCO₂/油系溶解現象の分子動力学解析
  • ゲンユ ゾウシン カイシュウ ニ オケル CO ₂/ユケイ ヨウカイ ゲンショウ ノ ブンシ ドウリキガク カイセキ
  • Analysis of Molecular Dynamics of CO2/Oil DissolutionPhenomena in Enhanced Oil Recovery

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抄録

CO2を用いた原油増進回収(Enhanced Oil Recovery, EOR)は,原油が取り残された油田にCO2を圧入することで原油回収率を高める技術であり,原油の増産と同時に二酸化炭素の隔離が可能な技術として,近年注目されている.EORでは油田中に圧入されたCO2が残存油に溶解することで,粘性低下,体積膨張など,油の物理化学的性状が変化し,原油回収率が高まるとされている.油へのCO2の溶解が原油回収率の向上と密接に関係していると考えられるものの,CO2の溶解に関するメカニズムは未だ解明されていない.このため,本研究では油へのCO2の溶解に関して分子論的な知見を得ることを目的とし,分子動力学シミュレーションを行った.単成分系を仮定した油(シクロヘキサン,C6H12)を用い,CO2が溶解した平衡状態において解析を行い,さらに分子間相互作用の一つであるクーロン相互作用が溶解現象に及ぼす影響についても考察した.その結果,油に対してCO2がクラスター構造を伴って溶解していることを示した.

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