微調整機構付きポリキャピラリーを用いた軟X線の集光とその高速化学状態分析への応用

DOI 機関リポジトリ Web Site Web Site オープンアクセス
  • 平尾 法恵
    日本原子力研究開発機構量子ビーム応用研究部門
  • 馬場 祐治
    日本原子力研究開発機構量子ビーム応用研究部門
  • 関口 哲弘
    日本原子力研究開発機構量子ビーム応用研究部門
  • 下山 巖
    日本原子力研究開発機構量子ビーム応用研究部門

書誌事項

タイトル別名
  • Focusing of Soft X-rays Using Poly-capillary with Precise Adjustment Mechanism and Its Application to Quick Chemical-state Analysis
  • ビチョウセイ キコウ ツキ ポリキャピラリー オ モチイタ ナンXセン ノ シュウコウ ト ソノ コウソク カガク ジョウタイ ブンセキ エ ノ オウヨウ

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抄録

固体表面のナノメートル領域における化学結合状態(原子価状態)変化を高速でリアルタイム観察するための手法について述べた.本手法の概略は,固体試料に放射光軟X線を照射し,表面から放出される全光電子を静電レンズ系で拡大し画像化するものであり,空間分解能は40 nmである.照射する放射光軟X線の集光素子として,近年開発されたポリキャピラリーを用い,キャピラリーの位置をビーム方向及びビームと直角の水平方向に微調整しビームを最適化することにより,バルクの試料について10ミリ秒でも明瞭な画像観察を行うことが可能となった.また,局所部における化学結合状態を観察するための顕微X線吸収スペクトル(顕微XAFS)測定の高速化について検討した結果,シリコンと酸化シリコンから成る試料に関し,画像中のすべての点のXAFSスペクトルを数十秒で測定することができ,これにより原子価状態分布をナノメートルスケールでリアルタイム観察することが可能となった.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 63 (1), 53-58, 2014

    公益社団法人 日本分析化学会

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