中学生の食に関するメディアリテラシー尺度の開発

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  • Development of the dietary-related media literacy scale among junior high school students

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抄録

目的:中学生を対象に「食に関するメディアリテラシー尺度」を作成し,その信頼性と妥当性を検討することを目的とした.<br>方法:2011年6~7月に,東京都及び埼玉県の公立中学校の生徒2,064名を対象に質問紙を用いた横断研究を実施した.項目案は,一般的なメディアリテラシーや食行動の要因に関する先行研究を参考に,「批判的思考」と「自律的判断」の2側面で構成されると仮定し,29項目作成した.尺度の信頼性は,内的整合性のクロンバックαと再検査法により確認した.妥当性は,「間食選択動機」調査票,一般的なメディアリテラシー尺度,メディア利用状況との関連性によって検討した.<br>結果:有効回答数は1,456名(70.5%)であった.探索的因子分析の結果,「食品表示活用」,「食品広告・販売促進からの影響」,「食に関するメディアからの情報の批判的認識」,「栄養バランスの判断」の4因子16項目が得られた.さらに,確証的因子分析の結果,高い適合度(GFI=0.96,AGFI=0.95,CFI=0.96,RMSEA=0.05)が得られた.各因子の信頼性では,クロンバックα係数(α=0.76~0.83)と再検査法による信頼性(r=0.48~0.67,いずれも,p<0.01)を確認し,良好な結果が得られた.妥当性では,重回帰分析の結果,「食品広告・販売促進からの影響」は,平日のテレビ視聴時間,テレビに対する保護者の肯定的意見と負の関連が見られた.一方,他の3つの因子は,テレビに対する保護者の批判的意見と正の関連が見られた.<br>結論:中学生の「食に関するメディアリテラシー尺度」の信頼性と妥当性が確認された.

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