広範な下顎骨壊死を伴った加齢性EBV陽性びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫の1例

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  • A case of EBV positive diffuse large B-cell lymphoma in an elderly patient with extensive osteonecrosis of the mandible

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抄録

症例は92歳の男性。2010年12月に左側下顎第二小臼歯部の腐骨様の硬組織を除去した約1か月後に,同部位に強い自発痛と骨壊死を生じた。術創を含め約30mm径の骨壊死を認めたため,悪性腫瘍を考慮して生検を行った。病理組織学的に炎症性肉芽組織の診断であったため,下顎骨骨髄炎として感染の制御と疼痛管理を行ったが,骨壊死は徐々に進行した。<br>2011年5月には左側上内頸静脈リンパ節の急激な腫脹を生じ,骨壊死の急速な拡大と共に舌,口底および頰粘膜に壊死が進展したため,再度の生検を行った。病理組織学的には,小リンパ球や形質細胞,組織球などの多彩な反応性背景を認め,病変内に広範な壊死巣を伴っていた。またReed-Sternberg細胞様大型細胞が散在性に出現しており,腫瘍細胞が血管壁に浸潤して塞栓を生じている部分も認められた。腫瘍細胞はCD20,CD30およびin situ hybridization法でEBER陽性であったことから,加齢性EBV陽性びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫の診断を得た。<br>高齢であり慢性心不全の既往があることから化学療法の適応外とし,症状緩和を主体として対応していたが,同年8月に死亡した。

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