術前顎矯正後に歯肉骨膜形成術と口唇形成術及びFurlow変法による口蓋形成術を施行した片側性唇顎口蓋裂5例の顎態と歯列に関する短期的評価

DOI
  • 松本 美樹
    明海大学歯学部形態機能成育学講座歯科矯正学分野
  • 真野 樹子
    明海大学歯学部形態機能成育学講座歯科矯正学分野
  • 中谷地 舞
    明海大学歯学部形態機能成育学講座歯科矯正学分野
  • 三條 恵介
    明海大学歯学部形態機能成育学講座歯科矯正学分野
  • 藤本 舞
    明海大学歯学部形態機能成育学講座歯科矯正学分野
  • 時岡 一幸
    埼玉医科大学病院形成外科・美容外科
  • 中塚 貴志
    埼玉医科大学病院形成外科・美容外科
  • 鐘ヶ江 晴秀
    明海大学歯学部形態機能成育学講座歯科矯正学分野
  • 須田 直人
    明海大学歯学部形態機能成育学講座歯科矯正学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Short-term Evaluation on Skeletal Pattern and Dental Arch of Five Unilateral Cleft Lip and Palate Patients who underwent Presurgical Infant Orthopedics, Gingivoperiosteoplasty, Surgical Lip Closure, and Furlow Palatoplasty

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抄録

明海大学病院と埼玉医科大学病院では,片側性唇顎口蓋裂児に対し,出生直後より哺乳床型口蓋床を用いた術前顎矯正,生後4から6ヶ月時にNoordhoff法による口唇形成術と歯肉骨膜形成術(gingivoperiosteoplasty: GPP),生後12から18ヶ月時にFurlow変法による口蓋形成術を行っている。本治療プログラムの短期的結果を評価する目的として,片側性唇顎口蓋裂児5例の4から5歳時に採得された歯列模型と頭部X線規格写真により歯列弓形態と顎顔面形態を検討した。術前顎矯正と外科手術は,5例とも各々同じ歯科医と形成外科医によって施行された。歯列模型より,4例で前歯部反対咬合(内1例は片側性の臼歯部反対咬合を合併)をみた。5例とも犬歯間はやや狭かったものの,臼歯間に狭窄はみられなかった。上顎の前後的評価では,SNAは2例で小さく上顎骨の劣成長をみたが,他の3例では日本人平均値と差がなかった。下顎の前後的評価は多様であり一定の傾向をみなかったが,骨格性III級を示したのは1例のみであった。上顎前歯は3例で舌側傾斜していた。顔面の対称性については,上顎の骨格性偏位はほぼみられず,咬合平面の傾斜と下顎骨の偏位を1例でみた。以上より現在行っている治療プログラムの短期的評価として,上顎前歯が舌側傾斜した例が多いものの,上顎歯列の狭窄や上顎骨後退に起因した前後的顎間関係の不正は少なかった。

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