食道早期癌および表在癌の外科治療上の問題点 SOME PROBLEMS IN SURGICAL TREATMENT OF THE PATIENTS WITH SUPERFICIAL CARCINOMA OF ESOPHAGUS

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Abstract

食道癌はいまだ進行癌が大部分を占めている疾患で,癌の深達度が粘膜下層までに限局するいわゆる食道早期癌および表在癌は1977年までの本邦集計でもわずか101例にすぎない.しかしながら予後については進行癌との間に著しい差異がみとめられている.一般に本邦での食道癌治療の主体は,外科的切除で,それに術前後の合併療法を付加する方法がとられている.これらは主として進行癌に対する治療方針であり,早期癌および表在癌に対してはいまだ確たる基準はない現状にある.われわれは1981年4月までに8例の早期癌および表在癌を経験した.これら8例には,進行癌とほぼ同等量の治療を行なつており, 5年1カ月の生存を最長として全例,生存中である.これら8例をもとに,主として病理組織学的所見等につき,進行癌の切除例48例との比較検討を行なって,早期癌および表在癌の治療方針について考察した.その結果,リンパ節転移や脈管侵襲の頻度,およびskip lesionの有無については,進行癌と大差なく,食道癌の予後がこれらの諸因子に関連していることを考えると,早期癌および表在癌といえども進行癌と同等量の治療を行なうことが望ましいと思われた.

Journal

  • The journal of the Japanese Practical Surgeon Society

    The journal of the Japanese Practical Surgeon Society 43(8), 917-923, 1982

    Japan Surgical Association

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