巨大仮性脾嚢胞の1例-本邦における脾嚢胞236例の統計的観察-

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF GIANT SPLENIC CYST AND REVIEW OF 236 SPLENIC CYSTS REPORTED IN JAPAN
  • キョダイ カセイ ヒ ノウホウ ノ 1レイ ホンポウ ニ オケル ヒ ノウホウ

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抄録

脾嚢胞は比較的稀な疾患とされているが,著者らは最近,上腹部腫瘤を主訴とした68歳女性の巨大仮性脾嚢胞を経験した.重量は5,100gあり,その内容は黄色透明で,血清とほぼ同一の成分であった.従来本疾患は,特有な症状や検査所見に乏しい為,術前診断が困難とされてきたが,超音波検査及びCTスキャンにより容易に脾嚢胞と診断しえた.脾嚢胞は病理組織学的に真性,仮性に大別されるが,著者らが集計した自験例を含む236例では真性119例,仮性105例,分類不明12例となり,真性嚢胞がやや多かった.脾嚢胞は女性にやや多くみられ, 10歳台, 20歳台にピークがある.超音波, CTスキャン,血管造影などの検査により,以前ほど診断は困難でなくなってきている.治療は一般に脾摘出術が行われており,その手術成績,予後は共におおむね良好である.

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