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- 野村 稔
- 東京水産大学
書誌事項
- タイトル別名
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- Fish Reproduction Control by External Environment
抄録
ラッポウユリ (L.longiflorum) の自家不和合性品種のクレオール (Creole) を11.1°, 167°, 22.2°, 27.8°および33.3℃の5種のことなる温室に生育させ, 自家不和合性を克服するための生育温度と生長調整物質の相互作用を研究した.<BR>開花した花は自花受粉したものを無処理区とし, 自花受粉時または受粉3日前に花被を除去した傷口に, ラノリンに溶した1%NAM (Naphthalene acetamide) を処理したものを処理区とした.またこの外にこの品種に自家和合性のジョージャ (Georgia) という品種も交配した.<BR>生育温度が16.7℃で処理区のみに種子がえられた.またその後の実験では12.8℃および18.3℃の温度の場合にも種子がえられた.生育温度が33.3℃以外では朔果の形成がみられたが, 16.7℃の場合を除いては萌内に種子ができなかった.また受粉3日前には生長調整物質をえた区で種子がもっとも多くえられた.クレオールの花粉はそれ自身の柱頭液中で容易に発芽したので, 柱頭液には抑制物質が含まれていたことが明らかとなった.花柱を縦に切開して調べてみると, 受粉後24時間目の花粉管の長さは, 処理区では無処理区に比べて2.5倍も長かった.<BR>自家不和合性品種クレオールで得られた330粒の種子は非常に小さかったが, 寒天人工培養基で培養され, 310個体の実生がえられた.そのうちいくらかの芽生は白子で生育不良であり, この品種は劣性の白子遺伝子をもっていることがわかった.分離比を調査すると, , 正常3: 白子1の単因子雑種の分離を示した.このことよりえられた種子は有性生殖起原のものであることが明らかとなった.
収録刊行物
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- 生物環境調節
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生物環境調節 3 (2), 67-79, 1966
日本生物環境工学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680058812288
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- NII論文ID
- 130003724937
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- ISSN
- 21851018
- 05824087
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可