東京湾及び周辺水域の長期水温変動特性

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抄録

本研究では, 複数の環境計測データを組み合わせることによって, 東京湾及び周辺水域の長期的な水温変化の傾向とその原因を明らかにすることを試みた. その結果, 東京湾では冬季を中心として水温上昇傾向にあり, 東京湾に流入する河川にも冬季に水温上昇の傾向が見られること, 一方, 同じ閉鎖性水域でも伊勢湾, 大阪湾では水温変化の傾向が東京湾ほど顕著でないことがわかった. さらに, 1966-1975年及び1993-2003年のそれぞれ10年間の月平均水温から東京湾全体の貯熱量年間変動特性の長期変化を調べた結果, 貯熱量は10-3月の期間において近年大きくなっており8×104TJ程度増加 (湾全体平均で1.7℃の水温上昇) していること, また, 貯熱量の増加とともに高塩分化の傾向があり, 東京湾の水温上昇は外海域からの熱供給の増加が主要な原因の一つであると考えられる.

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  • CRID
    1390001204549824000
  • NII論文ID
    130003807684
  • DOI
    10.2208/proce1989.51.1236
  • ISSN
    18848222
    09167897
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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