遠距離輸送後に見られた牛の肺炎の調査

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  • A Survey on Bovine Pneumonia after Long-Distance Transportation
  • エンキョリ ユソウゴ ニ ミラレタ ウシ ノ ハイエン ノ チョウサ

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抄録

北海道から滋賀県に約48時間かけてトラック輸送された後, 2週間以内に呼吸器症状を示し淘汰された10頭の子牛の肺炎病巣を病原学的ならびに病理学的に検索した. これらの肺炎病巣からUreaplasma sp. とMycoplasma disperおよびPasteurella multocidaが高率に分離された. 肉眼的には, 左右の肺に種々の大きさの暗赤色を呈し硬度を増した病巣が見られた. 組織学的には化膿性気管支肺炎を示し, 気管支周囲に多数のリンパ球の浸潤をともなった病巣が特徴的であった. また, 上記の菌種と同時にActinomyces pyogenes, Fusobacterium necrophorumが分離された肺病巣には, 肉眼的に大小の膿瘍様の病変が多発し, 気管支の断面から多量の膿汁が漏出した. 組織学的には気管支腔内に多数の好中球, 菌塊および変性細胞が充満し粘膜上皮細胞は壊死に陥り, 周囲の結合組織は著しく増生していた. これらの成績から, 今回の子牛の肺炎から分離された各種の細菌とともにMycoplasmaが病変形成に重要な役割を果たしているものと考えた.

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