牛の実験的穿孔性乳頭切創に対する各種縫合法の治癒経過

書誌事項

タイトル別名
  • Healing Process in Different Suture Patterns for Experimentally Induced Perforating Teat Wound in Cows
  • ウシ ノ ジッケンテキ センコウセイ ニュウトウ セッソウ ニ タイスル カク

この論文をさがす

抄録

乳牛乳頭の穿孔性損傷に対する各種縫合法の治癒過程を検索する目的で, 乳頭壁の三層縫合法であるSteere-Moody法 (SM法) ならびに二層縫合法であるUtrecht (U法) および腸管の単層結節縫合法であるGambee法 (G法) を実験的穿孔性乳頭切創に応用し, その経時的変化を肉眼的, X線学的および病理組織学的に観察した.<BR>縫合部およびその周囲の浮腫を伴う中間層筋束の走行の乱れ, 乳頭壁の肥厚, 乳頭洞の狭窄がSM法で最も強く, 次いでU法の順にみられ, 術後10日目においてもU法で粘膜の完全離開, SM法で一部離開が認められた.いっぽう, G法では乳頭壁の器質的変化はほとんど認められず, 術後5~7日目で創縁粘膜の癒合・再生像が認められた.<BR>横切開では縦切開に比べて各縫合法とも中間層での血腫・浮腫が重度に認められたが, G法の治癒経過は縦切開のそれとほぼ同様であった.<BR>以上今回の成績から, 穿孔性乳頭切創に対しては, 粘膜に縫合処置を加えた単層結節縫合 (G法) が最も優れた縫合法であることが明らかとなった.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ