2-アセチル-8-ヒドロキシキノリン-5-スルホン酸類によるCa (II) とMg (II) イオンの識別

書誌事項

タイトル別名
  • Discrimination of Ca(II) and Mg(II) Ions Using 2-Acetyl-8-hydroxyquinoline-5-sulfonic Acids

抄録

2-アセチル-8-ヒドロキシキノリン-5-スルホン酸 (1) と2, 4-ジアセチル-8-ヒドロキシキノリン-5-スルポソ酸 (2) が新規に合成され, どちらもスルホン酸のナトリウム塩として単離された. 25℃ の水溶液中, 紫外・可視吸収スペクトルの測定により, その酸解離定数とCa (II), Mg (II) との錯形成を調べた. フェノール部分のpKa (イオン強度0.1) は1が7.81, 2は7.45であり, 環窒素のpKa (Hammettの酸度関数を使用) は1が-0.31, 2は-1.40であった. 1:1錯体の生成定数 (イオン強度0.1) の対数は1-Ca (II) は3.87, 1-Mg (II) は1.48, 2-Ca (II) は3.60, 2-Mg (II) は1.42であった. ここでCa (II) は1, 2の吸収極大波長の位置を明確に長波長側に移動させるのに対し, Mg (II) は全く移動させない. 以上から, Mg(II)-1, 2錯体は水溶液中キレート構造を形成していない; 1, 2はMgに対して弱い単座配位子として作用していると推定した.

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ