糖欠乏条件下での緑色食用植物のカルス組織の生育と葉緑素形成

書誌事項

タイトル別名
  • Growth and Chlorophyll Formation in Edible Green Plant Callus Tissues in Vitro on Media with Limited Sugar Supplements

抄録

ニンジンの根, キクヂシヤの胚芽, レタスの葉柄, レタスの茎, パセリの葉柄及びホウレンソウの葉柄から由来した6つのカルス組織を用いてその生育と葉緑素生成に関する培地栄養成分の影響を研究した. 修正ホワイト培地 (タバコ高塩濃度培地) を基礎培地として用いた. 一般的に言ってこの培地ではこれら組織に対して充分な生長あるいは充分な葉緑素形成は行なわれなかったが, 糖の代りにココナツミルクをこの培地に加えるとその生育及び葉緑素形成はよくなった. ココナツミルク, インドール醋酸, カイネチンを含むこの基礎培地に100mg/lのチアミン塩酸塩, 10mg/lのアスコルビン酸, 及び1g/lのカゼイン加水分解物の添加は生育及び葉緑素形成に効果があった. この種類の培地で数回の植え継ぎをした結果, ホウレンソウのカルスが最大の葉緑素含量 (未乾燥カルス重量g当り73.3γの値) を示した. 培地中の糖含量を制限した条件で明所及び暗所で培養した生育について三種の修正タバコ高濃度培地を用いて研究した. 一般的に言ってカルス組織の生育は培地巾の糖含量に依存した. そうしてカルスの生育は培地中に糖が存在すれば暗所でも明所と同程度に生育した. また糖の欠乏状態では明所において葉緑素をもつカルスの塊は遅い速度で無機栄養的に生育した.

収録刊行物

  • 植物学雑誌

    植物学雑誌 80 (947), 199-212, 1967

    公益社団法人 日本植物学会

被引用文献 (1)*注記

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キーワード

詳細情報

  • CRID
    1390001204220742144
  • NII論文ID
    130004077040
  • DOI
    10.15281/jplantres1887.80.199
  • ISSN
    21853835
    0006808X
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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