左室負荷疾患における心磁図 Isomagnetic mapおよびsingle moving dipole法による診断

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タイトル別名
  • Magnetocardiogram in patients with left ventricular overloading using isomagnetic map and single moving dipole methods.

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抄録

健常者20例, 左室負荷疾患患者 (本態性高血圧, 大動脈弁狭窄兼閉鎖不全, 僧帽弁閉鎖不全) 27例について前胸部36誘導点における心磁図を記録した.得られた記録からQRS波開始より2msecことに磁界図を作成した.Williamsonの方法を用いて推定dipoleを求め, 経時的に移動するmoving dipoleとして表示した.人体では身体各部の電気抵抗が一様でなく, dipoleは単一でないが, 健常群と左室負荷疾患群の心起電力を比較すると以下のような違いがみられ, 本法が左室負荷診断に有用であると考えられた.<BR>左室負荷症例では心電図QRS波高および体表面磁界の増大がみられない例においても, 磁界図の等価二重極を用いて推定したmoving dipoleではより高頻度に増大がみられた.本法により推定したdipoleは, 健常群および左室負荷群における心起電力の経時変化や特徴をよく反映し, 位置の情報についても把握することができた.また, moving dipoleによる方法では電流源から体表面までの距離にあまり依存せず, 電流源の大きさを比較的容易に推定できるので, 心起電力増大そのものの変化がとらえやすかった.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 12 (3), 269-276, 1992

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

被引用文献 (1)*注記

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