肥大型心筋症における再分極異常　　運動負荷ＱＲＳＴ　ｉｓｏｉｎｔｅｇｒａｌ　ｍａｐによる検討

• 中島 敏明

  東京大学医学部第2内科

• 杉本 恒明

  東京大学医学部第2内科

• 川久保 清

  東京大学医学部第2内科

• 戸田 為久

  東京大学医学部第2内科

• 三輪 篤子

  東京大学医学部第2内科

• 村川 祐二

  東京大学医学部第2内科

• 野崎 彰

  東京大学医学部第2内科

• 倉智 嘉久

  東京大学医学部第2内科

• 天野 恵子

  東京大学医学部第2内科

• 坂本 二哉

  東京大学医学部第2内科

• 真島 三郎

  東京大学医学部第2内科

• 伊原 正

  東京大学医用電子研究施設

• 田中 博

  東京大学医用電子研究施設

• 古川 俊之

  東京大学医用電子研究施設

書誌事項

タイトル別名

• Abnormalities of repolarization in hyertrophic cardiomyopathy. Studies on QRST isointegral map with exercise test.
• ―運動負荷QRST isointegral mapによる検討―

抄録

肥大型心筋症 (HCM) の再分極異常の成因を知る目的で, QRST isointegral mapを作成し, 安静時および運動負荷後の分布を検討した.対象は, 正常群10例, HCM群35例 (閉塞型HOCM10例, 非閉塞型HNCM15例, 心尖部型APH10例) である.安静時QRST isointegral mapは, 正常群では左前胸部に極大を, 右胸部上方に極小をもつ分布を示したが, HCMでは , HOCM40%, HNCM60%, APH90%に, 左前胸部に極小をもつ異常分布がみられた.極小点は, APHではV_{4, 5}周辺に, HNCMではV₅に, HOCMではばらつく傾向があり, 各病型による多少の差異をみとめたが, 重複する例も多くみられた.安静時QRST isointegral mapの異常例に対し, 運動負荷後の分布の変化につき検討した.APHでは9例中8例において, 左前胸部の極小は, 右胸部上方に偏位し, ほぼ正常な分布を示した.HNCMでは9例中8例は, 負荷後も安静時と同様の異常分布を示した.HOCM4例では負荷後左前胸部下方に極小が偏位する傾向がみられた.以上より, HCMの再分極異常は主として1次性変化と考える.また, 運動時変化がHCMの病型で異なったことは, 心筋の肥厚形態の他に, 心筋自体の性質の差による可能性があり, HCMにおける再分極異常の成因は単一のものではないことが示唆される.

収録刊行物

• 心電図

  心電図 6 (3), 237-246, 1986

  一般社団法人　日本不整脈心電学会

キーワード

• QRST isointegral map
• Hypertrophic cardiomyopathy
• Treadmill exercise test

詳細情報

• CRID: 1390001204772427904
• NII論文ID: 130004087639
• DOI: 10.5105/jse.6.237
• ISSN: 18842437
• ISSN: 02851660
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/1987138410
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可