症例 高度のAR,MRをきたしたMarfan症候群の1手術例

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書誌事項

タイトル別名
  • A case report with sever aortic regurgitation and mitral regurgitation with Marfan syndrome
  • Degree of cardiomyocite injury and operation timing
  • 心筋障害進行と手術時期について

抄録

大動脈弁輪拡張症(AAE)を伴うMarfan症候群に対してDavid手術を施行したが術後に不幸な転帰をとった1例を報告するとともに,AAEを伴ったMarfan症候群に対する本術式の可否につき文献的考察を加えた.<BR>症例はMarfan症候群を有する16歳,男性.術前,NYHA III度,著明な心拡大と大動脈弁輪の拡大を認めたため,体外循環下に手術を施行.径70mmに拡大した大動脈を切開すると,大動脈弁は肉眼的に明らかな異常は認めず,David手術を施行した.径30mmのCollagen coated woven Dacron(HemashiedR)人工血管を使用した.術前のAR(4/4)が術後AR(2/4)と改善し,左室のDd/Dsも縮小を認めたが,再び左室径の拡大を認め進行する心不全のため再入院となった.<BR>保存的治療にて症状の改善を認めたものの,不整脈により突然死をきたした.病理解剖の結果,大動脈弁や僧帽弁において弁輪の拡大や形態上の異常は認めなかった.しかし,心筋壁は拡張型心筋症様に非薄化しており高度の心筋障害が示唆された.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 31 (10), 713-717, 1999

    Japan Heart Foundation

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205488067072
  • NII論文ID
    130004136139
  • DOI
    10.11281/shinzo1969.31.10_713
  • ISSN
    05864488
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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