第33回志摩循環器カンファランス テーマ : 生体時計・既日リズムの基礎と臨床 概日リズムと自律神経・内分泌調節 Circadian rhythms and autonomic andendocrine control

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著者

    • 永井 克也 Nagai Katsuya
    • 大阪大学蛋白質研究所代謝部門 Division of Protein Metabolism,Institute for Protein Research,Osaka University

抄録

哺乳類の概日リズムの体内時計は脳視床下部視交叉上核(SCN)に存在する.筆者らはSCNに自律神経と内分泌系を制御して血糖調節に関与するニューロンが存在することを明らかにした.SCNから膵臓,肝臓と副腎へ投射する自律神経経路が存在することを示す結果も得ているので,SCNはこの経路を介して血糖調節を含むエネルギー代謝調節に関与すると考えられる.低血糖状態の体内環境や明暗などの体外環境の情報を得て,体内時計の時刻情報に依存して,SCNニューロンは自律神経系を制御する.筆者らは,阪神大震災の際に体内時計が乱れて,その位相(時刻)が大きく移動すると共に,体外環境の明暗周期による体内時計の同調が起こらなくなる(時差ぼけ時のような)状態にマウスが陥ったことを認めている.したがって,冬季うつ病や不登校などの患者における体内時計の乱れによる時差ぼけ状態が,体内外の環境情報によるストレス刺激によって引き起こされることは十分に考えられる.ヒトの光照射が心拍数を変化させることが報告されているので,自律神経経路を介するSCNによる心臓機能の調節機構の存在も予想される.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 32(12), 987-1000, 2000

    心臓

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