ホルター心電図からみた右室流出路起源の心室性不整脈の発生機序の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Mechanisms of ventricular arrhythmias orginating from right ventricular outflow tract examined by Holter monitoring.

この論文をさがす

抄録

心室性期外収縮 (VPC) の発生頻度と心拍数の関係 (以下VPC-HR関係) はVPCの発生機序を推察し, 薬効を予測するうえで大きな役割を果たしたが, 発生部位が同定されたVPCに関するVPC-HR関係は検討されていない.そこで今回右室流出路に起源を有する単形性心室性不整脈に対して高周波力テーテルアブレーションを施行した10例 (男性4例, 女性6例, 平均年齢33±6歳) を対象として, 施行前に記録したボルター心電図よりVPC-HR関係を解析した.心拍数の増加とともにVPCが増加する場合を促進型, この正相関関係がみられない場合を非促進型とした.全例で高周波カテーテルアブレーション前の電気生理学的検査にて単形性心室性不整脈の発生部位を右室流出路の中で正確に同定した.結果は右室流出路中隔側に起源を有するVPCは8例中7例で非促進型, 逆に右室流出路自由壁側に起源を有するVPCは2例とも促進型で, 中隔側起源より自由壁側起源のVPCのほうが有意に高頻度に促進型を呈した (p<0.05) .これらの所見は臨床上高頻度にみられる右室流出路起源の心室性不整脈でもその発生機序は単一でなく, 中隔側と自由壁側でその発生機序が異なる可能性を示している.すなわちこれは右室流出路起源の心室性不整脈の成因が, リエントリー性の発生機序と遅延後脱分極による撃発活動とで意見の一致をみなかった1つの要因であると考えられた.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 19 (4), 344-350, 1999

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (24)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ