地震による山地災害の特性

書誌事項

タイトル別名
  • Study on Characteristics of Disaster at Mountainous District due to Earthquake
  • ジシン ニヨル サンチ サイガイ ノ トクセイ

この論文をさがす

抄録

地震による山地災害の特性を把握するために,関東,新潟,伊豆大島近海の各地震について地震時の山地災害の状況を整理・解析した。また,災害地における地震加速度を推定し,さらにそれに標高による補正を加えた加速度と山地災害との関係をつかもうと試みた。その結果は次のようにまとめられる。<br>(1)一般には本震によって亀裂を生じ,余震あるいはその後の降雨で崩壊する例が多い。<br>(2)断層付近の崩壊がとくに多い傾向がある。<br>(3)斜面の傾斜が30°を境にして急激に崩壊が増加する。<br>(4)平均崩壊深はほぼ1~2m程度である。<br>(5)地震加速度は標高に比例して増加する傾向にあるが,崩壊面積率も標高に比例して増加する。<br>(6)崩壊を発生させる地震加速度の下限値は,ほぼ200galと判断される。<br>(7)土石流は10m/sを越すかなりの速さで流下し,それには地震の震動が関与していると思われる。

収録刊行物

  • 砂防学会誌

    砂防学会誌 35 (2), 3-15, 1982

    Japan Society of Erosion Control Engineering

被引用文献 (13)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ