浅在性化膿性疾患に対する RoxithromycinとJosamycinとの二重盲検比較臨床試験成績

書誌事項

タイトル別名
  • Comparative Clinical Study of Roxithromycin and Josamycin for Suppurative Skin and Soft Tissue Infections by a Double-Blind Method

抄録

浅在性化膿性疾患に対する新しい経口マクロライド系抗生物質Roxithromycin (RU 28965, 以下RUと略す) の有効性, 安全性および有用性を客観的に評価するためにJosamycin (以下JMと略す) を対照薬とした二重盲検比較試験を実施した. 1日投与量はRU群300mg, JM群1,200mgとし, 第1~IV群は10日間, 第V~VI群は14日間連続投与した. 総投与例数は224例 (RU群113例, JM群111例) で, 総合臨床効果は209例 (RU群105例, JM群104例), 有用性は211例 (RU群105例, JM群106例), 安全性は220例 (RU群111例, JM群109例) を解析対象とし, 以下の成績を得た.<BR>1.総合臨床効果はRU群82.9%(87/105), JM群80.8%(84/104) の有効率 (かなり改善以上) を示し, 両薬剤群間に有意差は認められなかった. また疾患群別臨床効果でも第I~IV群で両薬剤群間に有意差は認められなかった.<BR>2.細菌学的効果はRU群93.7%(59/63), JM群91.8%(56/61) の菌陰性化率を示し, 両薬剤群間に有意差は認められなかった.<BR>3.副作用はRU群111例中4例 (3.6%), JM群109例中5例 (4.6%) にみられ, 臨床検査値異常はRU群61例中5例 (8.2%), JM群60例中1例 (1.7%) にみられたが, いずれも両薬剤群間で有意差は認められなかった.<BR>4. 総合臨床効果および安全性を考慮して判定した有用性はRU群78.1%(82/105), JM群76.4%(81/106) の有用率 (有用以上) を示し, 両薬剤群間に有意差は認められなかった.<BR>以上の成績より, 浅在性化膿性疾患の治療薬としてRUはJMと同様, 有用性のある薬剤と考えられた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 63 (3), 203-227, 1989

    一般社団法人 日本感染症学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205048083840
  • NII論文ID
    130004329498
  • DOI
    10.11150/kansenshogakuzasshi1970.63.203
  • ISSN
    1884569X
    03875911
  • PubMed
    2504834
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • PubMed
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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