B群溶血レンサ球菌“M9”株の抗原性と分布に関する研究

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タイトル別名
  • Antigenicity of Group B streptococcus Strain “M9” and its Prevalence in Japan
  • B群溶血レンサ球菌"M9"株の抗原性と分布に関する研究〔英文〕
  • Bグン ヨウケツレンサキュウキン M9 カブ ノ コウゲンセイ ト ブンプ ニ
  • Antigenicity of Group B streptococcus Strain ^|^ldquo;M9^|^rdquo; and its Prevalence in Japan

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抄録

B群溶血レンサ球菌 (以下B群溶レン菌) の血清型別は, 本感染症の疫学的研究にとって重要な手段である. しかし近年, 重症感染症から分離されるB群溶レン菌の中に, 従来の型別血清を用いて型別不能 (NT, non typable) の菌株が増加してきた.<BR>一方,“M9”菌株については, 一部感染症学会等で口頭で報告をしてきた.<BR>本論文では, B群溶レン菌“M9”菌株の血清学的性状を確認すると共に, 仮称“M9”菌型として型別される菌株の分布について報告し, 新菌型としての“M9”菌型の有用性を示す一助としたい.<BR>結果は以下の如くである.<BR>1) 沈降反応及び交差吸収試験により“M9”-菌株は, 既知の1a, 1b, II, III, IV, V, 及びType cand, NT6, Type cand, 7271とは異なる多糖体抗原性を保有していた.<BR>2)“M9”菌株自体は, 保菌者分離菌株であるが, これと同じ抗原性をもつ“M9”菌型 (仮称) のB群溶レン菌は, 新生児敗血症患児の血液からも分離された.<BR>3) 1975年以来の患者由来菌株を検討した結果“M9”菌型 (仮称) は1979年に千葉市及び京都市で分離された菌株が最初であり, 必ずしも名古屋市に限られた分布ではなかった.<BR>4) 本研究の範囲内では“M9”菌型 (仮称) と型別された菌株では蛋白抗原Rを伴うことがあった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 64 (3), 321-327, 1990

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (1)*注記

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