土石流・ハイパーコンセントレイティッド流・河川流の分化と堆積累重様式

  • 片岡 香子
    Research Institute for Hazards in Snowy Areas, Niigata University Present address: Department of Geology and Mineralogy, Kyoto University
  • 中条 武司
    Osaka Museum of Natural History

書誌事項

タイトル別名
  • Flow transformation and depositional organization of debris flow-hyperconcentrated flow-streamflow spectrum in volcanic fan-delta setting
  • The Pleistocene Lower and Middle Formations, Yachiho Group, central Japan
  • 前期更新世, 八千穂層群下部・中部累層の例

抄録

前期更新世, 八千穂層群下部・中部累層の火山性湖成ファンデルタ堆積物は上部ファンデルタプレーン相に土石流堆積物・ハイパーコンセントレイティッド流堆積物を含む. ハイパーコンセントレイティッド流堆積物はその特徴とそれに関係した他の堆積物との累重関係によって認定できた. ハイパーコンセントレイティッド流堆積物は, 不明瞭な成層構造をもち, 数cm程度の細粒層と細礫~中礫層の互層状を示す. この堆積物は, アウトサイズクラストとして大礫を含むが, 内部には侵食面などをもたない. このことは, 高濃集した流れから粒子が急速に沈積したことを示す. ここでのハイパーコンセントレイティッド流堆積物は多くの場合, 非粘着性土石流堆積物に付随して見られる. このことは, ハイパーコンセントレイティッド流の発生と堆積過程が非粘着性土石流と密接に関係していることを示す. ここでは下位から, 非粘着性土石流堆積物・ハイパーコンセントレイティッド流堆積物・河川流堆積物と累重するのが認められる. この累重様式は複合した流れの流下方向への分化を表しており, 先行して流れた非粘着性土石流の背後に, そこから分化したハイパーコンセントレイティッド流があり, のさらに後を河川流が流下したと考えられる.

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被引用文献 (4)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680196988544
  • NII論文ID
    130004372558
  • DOI
    10.4096/jssj1995.59.17
  • ISSN
    18829457
    1342310X
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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