小児科領域におけるCefprozilの基礎的・臨床的検討

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  • PHARMACOKINETIC, BACTERIOLOGICAL AND CLINICAL STUDIES ON CEFPROZIL IN PEDIATRIC PATIENTS

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抄録

新しく開発された経口用セフェム系抗生物質Cefprozil (CFPZ, BMY-28100) を各種小児感染症に投与し, 基礎的, 臨床的検討を行った。<BR>臨床分離株6菌種11株につき感受性測定を行ったところ, Staphylococcus aureus, α-Hemolytic Streptococcusなどのグラム陽性菌に対してはCefaclor (CCL) に比べると同等かそれより良好なMICを示した。又, Escherichia coli, Haemophilus influenszaeなどのグラム陰性菌に対してもCCLと同等の抗菌活性を示した。<BR>1回量15mg/kgを経口投与した場合について, 血中濃度及び尿中回収率をみた。1~2時間に最高血中濃度を示し (2時間値5.32±1.85μg/ml), 以後漸減していつた。6時間目までの尿中回収率は33.8±17.6%であった。<BR>一般感染症21例, 尿路感染症6例, 合計27例の細菌感染症に対する臨床効果はマイコプラズマ感染症の2例を除いた25例に対して, 有効率100%の成績が得られた。一方, 細菌学的効果に関しては, グラム陽性菌は除菌率が100%, グラム陰性菌についても除菌率が100%であった。<BR>副作用に関しては, 1例に軟便がみられ, 臨床検査値異常として2例に好酸球増多, 1例にGOT, GPTの上昇が認められたが, いずれも重大なものではなかった。<BR>以上の成績から, 本剤は小児期において有効で且つ安全性の高い薬剤と考えられた。

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