呼吸器感染症起炎菌の動向と Haemophilus influenzae, Streptococcus pneumoniae 及び Moraxella catarrhalis の抗生物質感受性: 1994~1995年の検討

書誌事項

タイトル別名
  • RECENT TRENDS IN INCIDENCE OF RESPIRATORY TRACT PATHOGENS AND ANTIMICROBIAL SUSCEPTIBILITIES OF HAEMOPHIL US INFL UENZAE, STREPTOCOCCUS PNEUMONIAE AND MORAXELLA CATARRHALIS ISOLATED IN 1994 AND 1995

この論文をさがす

抄録

当科において呼吸器感染症患者喀痰から分離された起炎菌の1994年及び1995年における動向を検討した。<BR>Haemophilus (H.) influenzae, Streptococcus (S.) pneumoniae 及びMoraxella(M.)catarrhalis の分離頻度は高く, 外来患者の起炎菌に占める割合は3菌種で1994年は70.5%, 1995年は73.8%であり, これは過去における分離頻度とほぼ同じであった。これら3菌種の薬剤感受性を寒天平板希釈法にて測定した。ペニシリンGのMICが0.125μg/ml以上となるペニシリン耐性S. pneumoniaeの分離頻度は, 1994年の24%から1995年には34.9%と著しく増加した。ペニシリン耐性 S. pneumoniae のほとんどがエリスロマイシンやミノサイクリン, トスフロキサシンなどにも耐性であった。ペニシリンGのMICが1μg/ml以上の菌株の血清型はすべて19型であった。 H. influenzae におけるβ-ラクタマーゼ産生株の比率は1994年, 20%また1995年, 15.8%であり, 過去のそれよりも若干高値であった。また今回キノロン剤耐性の H. influenzae が1株検出された。M. catarrhalis に関しては,過去と同様にβ-ラクタマーゼ陽性株が96.7%と高値であったが, 今回検討した薬剤に対してはさらなる耐性化は認められなかった。

収録刊行物

被引用文献 (17)*注記

もっと見る

参考文献 (14)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ