2002年に全国52施設から分離された臨床分離株11,475株の各種抗菌薬に対する感受性サーベイランス

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タイトル別名
  • IN VITRO SUSCEPTIBILITES TO LEVOFLOXACIN AND VARIOUS ANTIBACTERIAL AGENTS OF 11,475 CLINICAL ISOLATES OBTAINED FROM 52 CENTERS IN 2002
  • 2002ネン ニ ゼンコク 52 シセツ カラ ブンリ サレタ リンショウ ブンリカブ 11 475カブ ノ カクシュ コウキンヤク ニ タイスル カンジュセイ サーベイランス

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抄録

2002年に日本国内52施設から分離された臨床分離菌株11,475株の抗菌薬感受性試験を, フルオロキノロン系抗菌薬を中心に26薬剤を対象に実施した。<BR>Methicillin-susceptible staphylococci, Streptococcus pyogenes, Streptococcus pneumoniae, Moraxella catarrhalis, the family of Enterobacteriaceae, Haemophilus influenzae, Acinetobacter spp.はフルオロキノロン系抗菌薬に対し高い感受性を示した。<BR>一方, methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) のフルオロキノロン系抗菌薬に対する耐性率は80-90%で, methicillin-susceptible S.aureus (MSSA) に比べ極めて高かった。Methicillin-resistant coagulase-negative staphylococci (MRCNS) のフルオロキノロン系抗菌薬に対する耐性率は45-65%で, methicillin-susceptible coagulase-negative staphylococci (MSCNS) に比べ高かったが, MRSAと比較すると耐性株の割合は低かった。<BR>Enterococcus faeciumおよびNeisseria gonorrhoeaeのフルオロキノロン系抗菌薬に対する耐性率は80%以上と高い値が示された。<BR>Escherichia coliのフルオロキノロン系抗菌薬に対する耐性率は10%で, これまでの調査よりも高い値を示した。<BR>Salmonella spp.のフルオロキノロン系抗菌薬に対する耐性株は存在しなかった。<BR>尿路由来Pseudomonas aeruginosaのフルオロキノロン系抗菌薬に対する耐性率は40-60%, 呼吸器由来P.aeruginosaの耐性率は15-25%で, 尿路由来株の方が耐性率は高かった。<BR>現在問題となっている抗菌薬耐性菌の中で, 基質拡張型β-ラクタマーゼ (ESBL) 産生株が, E.coli 696株中13株, Klebsiella pneumoniae 630株中8株, Proteus mirabilis 373株中31株に認められた。さらにIMP-1型メタロβ-ラクタマーゼ (MBL) 産生株がP. aeruginosa 1095株中49株, Seratia marcescens 586株中7株, Acinetobacfer spp.474株中4株に認められた。<BR>バンコマイシン耐性enterococci, S.ureusは認められなかった。<BR>以上, 今回の感受性調査の成績から, 臨床での使用が10年以上経過したフルオロキノロン系抗菌薬に対し, methicillin-resistant staphylococci, enterococci, N.gonorrhoeae, P. aeruginosaは耐性化傾向が示されたが, それ以外の菌種では, 90%以上の高い感受性が保持されていた。

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参考文献 (27)*注記

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