Meropenemを含む各種注射用抗菌薬に対する2004年臨床分離株の感受性サーベイランス

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タイトル別名
  • NATIONWIDE SURVEILLANCE OF PARENTERAL ANTIBIOTICS CONTAINING MEROPENEM ACTIVITIES AGAINST CLINICALLY ISOLATED STRAINS IN 2004
  • メロペン特別調査 (全国感受性調査) 研究会

抄録

Meropenem (MEPM) をはじめとするカルバペネム系薬を中心に, 全国の医療機関30施設より収集した2004年の臨床分離株2889株 (グラム陽性菌1790株, グラム陰性菌907株, 嫌気性菌192株) に対する最小発育阻止濃度 (MIC) を測定し, 以下の結果を得た。<BR>1.MEPMのMIC90は, 腸内細菌科, Haemophilus influenzaeにおいて他のカルバペネム系薬に比較して殆どが2-5管低値であり, 特にグラム陰性菌全般に対し良好な抗菌力を示した。また, グラム陽性菌・嫌気性菌に対しても, MEPMは, methicillin-resistant Staphylococcus aureus等の一部の多剤耐性株を除く殆ど全ての臨床分離株に良好な抗菌力を示した。<BR>2.PseudomonasaeruginosaにおけるMEPM耐性株に対するimipenem (IPM) の交差耐性率は87.9%であったのに対し, IPM耐性株に対するMEPMの交差耐性率は49.2%であった。また, ciprofloxacin (CPFX) 耐性株に対するMEPMの交差耐性率も38.0%と低値であった。<BR>3.基質拡張型β-ラクタマーゼ (ESBL) 産生株が, Escherichia coliで4株 (3.1%), Citrobacter koseriで2株 (8.0%), Klebsiella pneumoniaeで3株 (2.5%), Enterobacter cloacaeで2株 (2.5%), Serratia marcescensで1株 (0.9%), Proteus mirabilisで2株 (2.2%) 認められた。また, メタロ-β-ラクタマーゼ産生株は, P.aeruginosaで5株 (1.6%) 認められた。<BR>4.前回実施した2002年臨床分離株での成績に比較して, MEPMのMIC90が2管以上上昇した菌種はPeptostreptococcus spp.(0.25μg/ml→1μg/ml) のみであり, MEPMに対する感受性に顕著な耐性化を認めなかった。<BR>以上より, MEPMは上市後9年以上を経過した時点においても, 広域かつ強力な抗菌力を維持しており, 依然として臨床的に有用性の高いカルバペネム系薬であるとの結論を得た。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205493548160
  • NII論文ID
    130004396032
  • DOI
    10.11553/antibiotics1968b.58.655
  • COI
    1:STN:280:DC%2BD287jtl2msA%3D%3D
  • ISSN
    21865477
    03682781
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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