地上243mへのコンクリートの圧送

  • 岸谷 孝一
    日本大学理工学部建築学科:東京大学
  • 鈴木 健夫
    大成設備(株);東京都第一本庁舎建設工事共同企業体
  • 渡辺 暉生
    (株)竹中工務店東京本店技術部;東京都第一本庁舎建設工事共同企業体
  • 三原 晃一
    清水建設(株)建築本部;東京都第一本庁舎建設工事共同企業体コンクリート品質管理担当
  • 石井 貴和
    大成建設(株)技術研究所
  • 桑原 隆司
    清水建設(株)技術研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Concrete Pumping to the Tallest Structure in Japan
  • --Construction of Tokyo Metropolitan Government No. 1--
  • --東京都新都庁第一本庁舎建設工事--

抄録

東京の自治と文化の新しいシンボルを目指して, 新宿新都心で1988年から建設工事が進められていた東京都新庁舎が, 今春完成した。新都庁舎は, 新宿中央公園に面する第一, 第二本庁舎と, 都民広場を囲む議会棟からなる複合建築群であるが, その中でも地上243mと日本一の高さを誇る第一本庁舎はひときわ目立つ存在となっている。この第一本庁舎では, 超高層・大スパンを実現するために, 丹下健三・都市・建築設計研究所の設計によるスーパーストラクチャー構造が用いられ, 2階以上の骨組みはS造で, 床はデッキプレート上に軽量コンクリートを施工する設計になっている。このコンクリートの施工に際して, 従来の常識では, ポンプ車を用いて地上から直接コンクリートを圧送できる垂直高さの限界は150~160m程度が目安とされていたが, 第一本庁舎工事では工程・工期等の関係から工事関係者の総意によりこの限界への挑戦が行われることになった。その結果, 各分野工事関係者の努力と近年のコンクリート圧送用機器・制御技術等のめざましい進歩により, 日本最高所, 地上243mに至るまでのすべてのコンクリートの施工がポンプ車を用いて地上から直接行われ, 工事を順調に終了させることができた。

収録刊行物

  • Concrete Journal

    Concrete Journal 29 (12), 51-61, 1991

    Japan Concrete Institute

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