高周波聴力検査の有用性についての研究

DOI
  • 西郡 聡
    Department of Otorhinolaryngology, School of Medicine, Kanazawa University

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on the usefulness of high frequency audiometry

抄録

スタックス製SR-A Professionalヘッドホンを使用して新しい高周波聴力検査システムを開発した. 正常者, 騒音下従事者, ストマイ使用者に対して高周波聴力検査を行い以下の結果を得た.<BR>1. 正常者の高周波音域の聴力閾値は周波数が高くなるにつれて, また加齢が進むにつれて上昇する. 同一周波数における加齢による聴力閾値の上昇の度合は, 周波数が高くなるほど大きかつた. また年齢と聴力との相関係数も低周波音域に比して, 高周波音域では, より高い値を示した.<BR>2. 騒音下従事者の高周波聴力閾値は正常人と較べて有意に上昇していた. またそれらのうち8kHzまではほぼ正常と考えられる者でも, 高周波聴力閾値は正常人と較べ有意に上昇していた.<BR>3. ストマイ使用症例34例において, ストマイ使用前後で高周波聴力閾値のみが高度に上昇したストマイ難聴の2症例を早期に検出することができた. 残る32例は聴力閾値に変動を認めなかつた.<BR>結論として, 高周波聴力検査は騒音や薬物による聴力障害の早期発見に有用であると考えられた.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205499494144
  • NII論文ID
    130004403618
  • DOI
    10.11334/jibi1954.36.4_712
  • ISSN
    04477227
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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