中・下咽頭表在癌の診断と治療

DOI
  • 武藤 学
    Division of Digestive Endoscopy and Gastrointestinal Oncology, National Cancer Center Hospital East

書誌事項

タイトル別名
  • Endoscopic diagnosis and treatment for superficial cancer in the oropharynx and hypopharynx
  • -中・下咽頭表在癌のハイリスク群とその診断-

抄録

中・下咽頭癌の多くは嚥下障害などの自覚症状を伴って進行した癌で発見され、侵襲の大きな治療が余儀なくされてきた。われわれは、食道癌と頭頸部癌が重複するfield cancerization現象のメカニズムをアルコール代謝酵素の遺伝子多型の面から解析し、アルコールの第一代謝産物であるアセトアルデヒドの慢性的な蓄積が究極の原因である可能性を突き止めた。さらに、新しい内視鏡技術: narrow band imaging (NBI) を応用することで、これまで発見が困難であった中・下咽頭の表在癌の早期発見が可能であることを明らかにした。今後、中・下咽頭癌のハイリスク群がさらに絞り込まれ、これらの癌がいわゆる表在癌の段階で発見されて予後が改善されるばかりでなく、病気の進行や侵襲の大きな外科手術で発声や嚥下の機能障害が余儀なくされ日常生活で苦しむ患者が減少することを期待する。

収録刊行物

  • 耳鼻と臨床

    耳鼻と臨床 51 (5Supplement1), S61-S66, 2005

    JIBI TO RINSHO KAI

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205500920960
  • NII論文ID
    130004404975
  • DOI
    10.11334/jibi1954.51.5supplement1_s61
  • ISSN
    04477227
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ