研究 高齢者弁膜疾患の臨床病理学的研究
書誌事項
- タイトル別名
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- A Clinicopathologic study on valvular diseases in 1, 000 consecutive autopsy of the aged
- 連続剖検1,000例の検討
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抄録
老年者弁膜症の病因調査を目的として,臨床病理学的研究を行った.<BR>対象は昭和47年から51年までの連続剖検1,000例中の臨床診断された弁膜症122例(男42,女80)で年齢は60~100歳(平均78.7)である.<BR>弁膜症の頻度は12.2%である.僧帽弁狭窄(MS)10例(8.2%)はリウマチ8,弁輪石灰化2,同閉鎖不全(MR)39例(32%)は乳頭筋機能不全28例,腱索断裂4例,逸脱4,弁輪石灰化2,リウマチ1であった.大動脈弁狭窄(AS)10例(8.2%)は石灰化7例,リウマチ2,先天性1例,同閉鎖不全(AR)59例(48.3%)は変性型48,梅毒性8,他の大動脈炎2,リウマチ1例である.三尖弁閉鎖不全(TR)は4例(3.3%)である.<BR>自覚症状の頻度は70%,心房細動はMSで80%,高血圧はARで76%と高頻度であった.<BR>以上,老年者弁膜症の特色はMRとARの高頻度なこと,MRでは乳頭筋不全,ARでは変性型が多く,これら病因はいずれも非炎症性で,虚血と変性が2大要因といえる.
収録刊行物
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- 心臓
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心臓 12 (7), 694-700, 1980
Japan Heart Foundation
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205484037120
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- NII論文ID
- 130004410783
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- ISSN
- 05864488
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可