症例 心室中隔欠損症に合併した三尖弁限局性心内膜炎の1治験例

DOI
  • 富樫 賢一
    立川総合病院心臓血圧センター心臓血管外科 新潟大学医学部第2外科
  • 坂下 勲
    立川総合病院心臓血圧センター心臓血管外科
  • 中川 芳彦
    立川総合病院心臓血圧センター心臓血管外科
  • 春谷 重孝
    立川総合病院心臓血圧センター心臓血管外科
  • 竹内 誼
    立川総合病院心臓血圧センター心臓血管外科
  • 岡部 正昭
    立川総合病院心臓血圧センター循環器内科
  • 大滝 英二
    立川総合病院心臓血圧センター循環器内科
  • 松岡 東明
    立川総合病院心臓血圧センター循環器内科

書誌事項

タイトル別名
  • Isolated tricuspid endocarditis with ventricular septal defect

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抄録

症例は31歳のダウン症候群の女性で,突然の発熱と全身痙攣で発症した.入院時胸骨左縁第3-4肋間にLevine5/6度の全収縮期雑音,心尖部に2/6度の拡張期雑音が聴取されたため,心エコー検査を施行したところ,心室中隔欠損および右室流出路の浮遊物とが認められた.心室中隔欠損症に合併した感染性心内膜炎と診断し,抗生剤療法を施行し,CRPが陰性化した時点で手術を施行した.心室中隔欠損孔をパッチ閉鎖した後,三尖弁腱索に付着したvegitationを切除し,腱索形成術を施行し,良好な結果をえた.<BR>本例は心室中隔欠損症に合併した三尖弁限局性心内膜炎の手術治験例の7例目の報告であり,三尖弁閉鎖不全症をきたす以前に根治しえた最初のものであると思われる.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 17 (10), 1071-1074, 1985

    Japan Heart Foundation

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