研究会 第27回 河口湖心臓討論会 主題:病態における心筋イオンチャンネル 心筋Kチャネルの構造と修飾機構

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タイトル別名
  • Structure and modulation of cardiac K channels

抄録

ラットの心筋よりクローニングした2種類のKチャネル(Kv1.2,Kv1.4)の性質をアフリカツメガエル卵母細胞の発現系を用いて検討した.Kv1.2により活性化が速く,殆ど不活性化のみられない外向き電流が観察され,Kv1.4により一過性の外向き電流が観察されたが,Kv1.2の電流(IKv1.2),Kv1.4の電流(IKv1.4)とも代表的な第III群抗不整脈薬によって影響を受けなかった.また外液pHの低下によってIKv1.2,IKv1.4はともに抑制されたが,その程度には差が認められpHの変化に対しKv1.4の方が感受性が高かった.次に受容体のクローンとKv1.2またはKv1.4をcoexpressさせた実験より,両Kチャネルクローンともホスファチジルイノシトール(PI)代謝回転の亢進を起こす受容体の刺激により電流が抑制されること,そしてその抑制にはIP3/Ca系およびジアシルグリセロール(DG)/プロテインキナーゼC(PKC)系の両方が関与していることが明らかとなった.さらにコンセンサスな配列から推定されるKv1.2のPKCによるリン酸化部位に変異を加え,チャネル蛋白のリン酸化が修飾機構に関与しているかどうかを検討したが,現在までの所チャネル蛋白が直接リン酸化されるという結果は得られていない.また,Kv1.4とKv1.2あるいはKv1.2の変異体をタンデムにつないだ実験の結果よりホモポリマーではチャネルとして機能しない変異体でも野生型とつなぐことによりチャネルとして機能し得ることが明らかとなった.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 26 (7), 782-792, 1994

    Japan Heart Foundation

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205486927360
  • NII論文ID
    130004413239
  • DOI
    10.11281/shinzo1969.26.7_782
  • ISSN
    05864488
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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