第20回 臨床不整脈研究会 洞停止による失神をくり返す脊髄損傷の1例

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  • A case of spinal cord injury patient who repeatedly developed syncope due to sinus arrest

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抄録

症例は59歳,男性.主訴は意識消失.2007年6月路上で自転車の横に倒れているところを通行人が発見し,救急隊要請.救急隊到着時に意識混濁と血圧低下を認め,当院救急救命科に搬送した.受診時の心電図で,HR38/分,洞性徐脈を認めた.入院後も徐脈と血圧低下が持続し,四肢麻痺を認めた.MRIでC3/4に頸髄損傷があり,血圧低下は交感神経遮断による神経原姓ショックと診断し,カテコラミン投与を開始した.カテコラミンとアトロピン投与中にも関わらず,第16病日意識消失を伴う洞停止を認めた.心電図でV1~V3でのST上昇があり冠動脈造影を施行.右冠動脈のアセチルコリン負荷試験陽性であった.第49病日,冠拡張薬投与後も意識消失を伴う洞停止を頻回に認めたため,ペースメーカー移植術を施行.脊髄損傷により交感神経遮断後の高度の副交感神経緊張によると思われる冠攣縮性狭心症と意識消失を伴う洞停止が合併した1例を経験した.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 40 (Supplement4), 119-125, 2008

    Japan Heart Foundation

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