足根骨癒合症を伴う先天性内反足の1例

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Congenital Clubfoot Associated with Tarsal Coalition

この論文をさがす

抄録

先天性内反足に対する手術中に踵舟状骨癒合症を認めた1例を経験したので報告する.症例は5歳男児.右先天性内反足のギプス矯正を生後5日から3カ月間受けた.1歳11カ月で当園紹介され右内反足,左外反足を認めた.全身の筋トーヌスは低下していた.2歳1カ月で起き上がり,2歳5カ月で立ち上がり,2歳8カ月で伝い歩き,3歳6カ月で独歩可能となった.5歳時,右内反足に対して手術(アキレス腱1 cm・後脛骨筋2 cm延長,足底腱膜切離,踵立方関節固定術)を行った.過矯正を懸念し,後内側の靭帯は解離しなかった.踵立方関節固定術の際,踵骨頚部と舟状骨との軟骨性の架橋が認められ,癒合部を切除した.術後9カ月の現在,歩行距離が伸び,走行・坂道や階段も可能になっている.先天性内反足に足根骨癒合症が合併する頻度は比較的高く,保存的治療に強く抵抗する場合や,X線所見が非典型的である場合は,MRIやエコーを行うことが望ましい.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ