食道癌術後凝固機能におよぼす好中球エラスターゼ阻害剤の影響

  • 竹村 雅至
    大阪市立総合医療センター消化器外科
  • 東野 正幸
    大阪市立総合医療センター消化器外科
  • 大杉 治司
    大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科
  • 李 栄柱
    大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科
  • 岸田 哲
    大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科
  • 福原 研一朗
    大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科
  • 西沢 聡
    大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科
  • 岩崎 洋
    大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科
  • 形部 憲
    大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科
  • 吉田 佳世
    大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Neutrophil Elastase Inhibitor on Coagulability in Patients after Radical Esophagectomy
  • ショクドウ ガン ジュツゴ ギョウコ キノウ ニ オヨボス コウチュウキュウ エラスターゼ ソガイザイ ノ エイキョウ

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抄録

食道癌術後には凝固異常が発症することが知られている。この凝固異常に対しては,現在までステロイドなどさまざまな薬剤投与が試みられてきた。今回われわれは,好中球エラスターゼの特異的阻害剤(シベレスタットナトリウム,以下SN)投与の食道癌術後の凝固能におよぼす影響について検討した。対象は食道癌切除再建を一期的に行った41例で,これら症例を術後SNを投与した21例(SN+群)と,SNを投与しなかった20例(SN-群)に分けた。SN+群でSNを,術直後より0.2mg/kg/hrで術5病日まで持続的に投与した。全例で術直前にメチルプレドニゾロン(500mg)を投与し,術7病日まで血小板数・FBG·FDP·D-Dimer·AT3·TAT·APTT·Protein C・α2PIを経時的に測定した。血小板数・FBG·FDP·D-Dimer·TATの変動には両群に差がなかった。AT3とProtein Cは術2·3病日でSN+群が有意に高値で,α2PIは術3病日でSN+群が有意に高値であった。APTTは,術3病日にSN-群で有意に高かった。食道癌術後管理におけるエラスターゼ阻害剤投与は食道癌術後の凝固異常状態を制御し,早期に回復させることが可能である。

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被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (17)*注記

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