遅発性両側性太田母斑様色素斑(堀)

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Acquired, Bilateral Nevus Ota-like Macules(Hori).

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抄録

68歳女性。2年前より前額部の両外側に紫褐色の色素斑が対称性に出現し, 徐々に拡大した。眼球結膜, 口腔粘膜に同様の色素斑はなし。病理組織学的に表皮基底細胞の軽度メラニン顆粒の増加, 真皮中∼下層にかけてメラニン顆粒を多量に含む類円形ないし紡錘形の色素細胞が多数みられた。免疫組織化学的にこの色素細胞はS100蛋白陽性, α1-antichymotrypsin, lysozyme陰性でメラノサイトと同定した。電顕的には真皮メラノサイトのメラノソームはよく成熟した第IV期のもので, 表皮メラノサイトのそれと比して大型でtranslucent bodyが多数みられ, 形態学的にかなり異なるものであった。このことは, 病因として表皮の変性などによる表皮メラノサイトの真皮への滴落説は否定的で, いわゆる真皮メラノサイトの活性化説を支持する結果であった。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 55 (5), 885-889, 1993

    日本皮膚科学会西部支部

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (3)*注記

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