VII型コラーゲンが抗原と思われた粘膜類天疱瘡の1例

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タイトル別名
  • A Case of Mucous Membrane Pemphigoid in which VII Collagen was Suspected as an Autoantigen

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抄録

82歳,男性。2009年5月より水疱が口腔内に出現し,軟口蓋を中心に出現消退を繰り返し,徐々に疼痛を伴うようになったため,2010年3月当科紹介受診した。病理組織検査では,粘膜上皮下に水疱を認め,正常ヒト皮膚を基質とした蛍光抗体間接法では,抗基底膜IgG抗体が40倍まで陽性であった。1M食塩水で剥離した正常ヒト皮膚を基質とした蛍光抗体間接法では,抗基底膜部抗体は水疱底に反応した。ELISA法による抗デスモグレイン1,3抗体,抗BP180抗体,抗BP230抗体は陰性で,真皮抽出液を用いた免疫ブロットにて患者血清は290kDの蛋白に反応したが,抗VII型コラーゲンELISAは陰性であった。以上の結果より,VII型コラーゲンが抗原と思われる粘膜類天疱瘡と診断した。ミノマイシン,ニコチン酸アミド,コルヒチンは副作用出現のため内服継続できずプレドニゾロン内服にて加療した。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 73 (6), 581-585, 2011

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (5)*注記

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