ニホンスモモとウメの自然種間雑種‘李梅’(<i>Prunus salicina</i> Lindl. × <i>P. mume</i> Sieb. et Zucc.)における<i>S</i>-haplotypeと受粉品種の検討

  • 村上 覚
    静岡県農林技術研究所果樹研究センター落葉果樹科
  • 神谷 健太
    静岡県農林技術研究所果樹研究センター落葉果樹科
  • 鎌田 憲昭
    静岡県農林技術研究所果樹研究センター落葉果樹科
  • 山田 晋也
    静岡県農林技術研究所森林林業研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on <i>S</i>-haplotype and Artificial Pollination in Interspecies Hybrid ‘Sumomoume’ (<i>Prunus salicina</i> Lindl. × <i>P. mume</i> Sieb. et Zucc.)
  • Studies on S-haplotype and Artificial Pollination in Interspecies Hybrid ^|^lsquo;Sumomoume^|^rsquo; (Prunus salicina Lindl. ^|^times; P. mume Sieb. et Zucc.)

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抄録

ニホンスモモとウメの種間雑種‘李梅’の安定生産に向けた知見を得るため,‘李梅’のS-haplotypeおよび受粉品種について検討した.‘李梅’のS-haplotypeを分析した結果,‘李梅’のS-RNase遺伝子はサイモンスモモおよびウメからそれぞれ由来している可能性が高いと考えられた.サイモンスモモはニホンスモモの近縁種で,ニホンスモモと交雑和合性がある.これらのことから,‘李梅’はウメだけではなくニホンスモモに対しても,S-haplotypeに関わらず,交雑和合性がある可能性が示唆された.実際にウメ,ニホンスモモ,アンズおよびモモ花粉を用い,‘李梅’に人工受粉を行うとウメ,ニホンスモモおよびアンズ花粉では交雑和合性が確認された.特にウメ‘宮口小梅’,アンズ‘平和’は花粉量が多く,花粉稔性が高いうえに,‘李梅’と高い交雑和合性を示したので,人工受粉の花粉親として優れていると考えられた.このため,‘李梅’においてはこれらの花粉を用いて人工受粉を行うことで,安定的に収量が確保できる可能性が示唆された.<br>

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 11 (3), 315-320, 2012

    一般社団法人 園芸学会

参考文献 (3)*注記

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