遷移金属触媒による逐次ラジカル重合

書誌事項

タイトル別名
  • Transition Metal-Catalyzed Step-Growth Radical Polymerization

抄録

本報では,遷移金属錯体による炭素-ハロゲン結合の活性化に基づく開始剤系の探索を行い,適切なモノマー設計を行うことで,これまでに例のない重付加機構で進行する逐次ラジカル重合へと展開可能となったことについて述べる.モノマーとして分子内に非共役二重結合と活性化可能な炭素-ハロゲン結合を有する化合物を用い,適切な遷移金属触媒を選択して重合を行うと,逐次ラジカル重付加が進行することが明らかになった.この重合は連鎖重合であるリビングラジカル重合と同様の触媒系に基づいているため,連鎖重合と逐次重合が同時に進行するこれまでに例のない重合系の開発に成功した.また,種々の配列構造が組み込まれたモノマーの設計を行い逐次ラジカル重合を行うことで,従来の重合法では不可能であった配列の制御された構造を有するポリマーも合成可能となった.以上のように金属触媒による炭素-炭素結合形成反応を用いることで,まったく新しい概念のラジカル重合系が構築された.<br>

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 68 (7), 436-456, 2011

    公益社団法人 高分子学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (66)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001206524369024
  • NII論文ID
    130004489335
  • DOI
    10.1295/koron.68.436
  • ISSN
    18815685
    03862186
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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