重症急性膵炎に伴う膵仮性嚢胞が脾と胃に穿破した１例

• 田原 純子

  東京女子医科大学消化器内科

• 清水 京子

  東京女子医科大学消化器内科

• 平山 浩美

  東京女子医科大学消化器内科

• 前出 幸子

  東京女子医科大学消化器内科

• 小山 祐康

  東京女子医科大学消化器内科

• 中村 真一

  東京女子医科大学消化器外科

• 羽鳥 隆

  東京女子医科大学消化器外科

• 白鳥 敬子

  東京女子医科大学消化器内科

書誌事項

タイトル別名

• Pancreatic pseudocyst penetrating into the spleen and the stomach in a patient with severe acute pancreatitis

抄録

重症急性膵炎に伴う膵仮性嚢胞が脾穿破と胃穿破を合併した1例を経験したので報告する．症例は45歳男性．飲酒後の背部痛を主訴に当院受診し，重症急性膵炎の診断で入院となった．腹部CT上，膵腫大と周囲の滲出液を認め，膵尾部に接して径70 mm大の嚢胞が脾内へ穿破していた．第13病日の腹部CTにて，膵仮性嚢胞は脾臓へ穿破し内部にガス像を認め，炎症所見も増悪した．経皮的嚢胞ドレナージを施行し経過観察中，さらに胃と嚢胞間に瘻孔形成が確認され，胃穿破と診断した．ソマトスタチンアナログ投与によりドレナージ排液量が減少し，嚢胞も縮小し，第88病日にドレナージチューブを抜去しえた．現在まで嚢胞の再発はなく経過良好である．脾臓と胃に同時に穿破した膵仮性嚢胞は極めて少なく，また保存的治療により治療せしめた症例である．<br>

収録刊行物

• 膵臓

  膵臓 21 (4), 358-364, 2006

  一般社団法人 日本膵臓学会

詳細情報

• CRID: 1390282679615226880
• NII論文ID: 10029435050
• NII論文ID: 130004495713
• NII書誌ID: AN10043798
• DOI: 10.2958/suizo.21.358
• ISSN: 18812805
• ISSN: 09130071
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2006321726
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
  • KAKEN
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可